世界チャンピオンになったことがある古賀選手の泳ぎを見たことがありますか?
一度、是非じっくり見てください。
先の日本選手権の映像を改めてみましたが、泳いでいる最中、彼の顔はびしょ濡れです。
過去に私が見た選手で最もびしょ濡れだったのは、1996年のアトランタオリンピックの日本代表選手であった近内選手だと思います。
その他、日本・世界のトップスイマーで、顔がびしょ濡れのバックストローカーは大勢います。
背泳ぎで「顔が濡れる」ということは、
- 目線は真上または若干、進行方向(上目づかい)を向いている。
- 少なくとも、顎を引くように、自身の足の方向は見ていない。
- 体全体の姿勢は、立位における「つま先立ちで背のび」をした感じになる。
- その姿勢とは、年少時の身長測定で、少しでも背を高く見せようとした、あの感じです。あの時、目線はどこにありましたか?
- この顔が水面に近い姿勢で、腕を遠くへ、遠くへとぶん回すので、水しぶきがハンパない。
だから顔がびしょびしょになるのです。
この姿勢ですが、「最初に背泳ぎを覚えた時の姿勢」です。
覚えていますか?
「背泳ぎの第1段階(2017.5.11の記事)」の通り、まだ泳げない人が最初に覚える姿勢です。
古賀選手、近内選手は、最初に覚えた泳ぎ(恐らく、ご本人に記憶・自覚はないと思います)で、前向き(遠く、遠く)に泳いで行った結果、世界に行くことができたのだと思います。
もちろん、入江選手のように「あまり濡れない」方向に、泳ぎが自然に変化していった選手もいます。
入江選手には、このスタイルがあっているのでしょう。
皆に共通しているのは、「泳ぎを最初に覚える段階での適切な指導」と、その後の「トレーニングによる自然な変化」です。
最もよくないコーチングは、入江選手の今の顔のおき方を、そのまま初心者に真似させることです。
いかえると「最終形の表面だけ真似る」コーチング。
これは最悪だと思います。